

欧米では医療の役割が「治療」から「予防」に変わってきました。しかし「予防」するためには原因がはっきりわかっていなければなりません。
歯科治療においてはその「予防」はより身近なものになろうとしています。
何故でしょうか、私たちが通常歯科医院で受ける治療は虫歯や歯ぐきの病気です。その二大疾患の原因がはっきりしているからです。
原因は皆さんよくご存知のプラーク(歯垢)です。いまではこのプラーク(歯垢)を的確にそしてより合理的に取り去るための器具やテクニックが考案されています。近代的な歯科医院では定期的なケアーによる予防システムはすでにほぼ完璧な形で整えられています。
歯科医院でのプロフェッショナルケアーと正しい歯磨き指導で治療に比べ少ない費用と時間でお口の健康を維持することができるのです。
プラークコントロールとは、1日1回歯から歯垢を除去し口の中をしっかり管理していくことを言います。
1日1回と聞いてびっくりした方もいらっしゃるかもしれません。しかし、歯から歯垢が完全に除去されたならば新しく細菌が集まって歯垢を形成し毒素をどんどん出すようになるまでには
24時間という時間が必要なのです。皆様方の中でこれを読んで疑問を感じられた方がおいでになると思います。
それでは1日2回、3回磨いているのになぜ虫歯や歯周病になるのかと?
それは磨けている部分が歯のごく1部分だけだからです。
たとえば通常の歯ブラシで歯と歯の間は磨けているでしょうか?到底磨けるものではありません。
そして歯と歯ぐきの間の歯肉溝と言うところはどうでしょうか?ここもなかなか難しいところです。
200年前、パームリーという米国人歯科医師がいました。
彼は予防歯科の祖といえる人物であり、たいへん有能な歯科医師でした。
彼は言いました、「歯をブラッシングするよりも歯と歯の間に糸(フロス)を通すほうがずっと虫歯を予防する。」虫歯や歯周病になるのは歯と歯の間からが1番多いのです。
なぜなら歯垢は歯と歯の間に1番多いからです。また、食べかすと歯垢そして歯石、この3つは全く違うものであることを認識してください。食べかすは単なる食べかすなのです。
食べ物はばい菌の巣ではないはずですから、歯垢は全くばい菌が凝集したものです。
また、歯石は唾液に存在するカルシウム成分と歯垢とが口の中で結合し固い石の様になって歯に付着したものです。
丸山歯科医院で使用する口腔清掃器具です。
③デンタルフロスと④歯間ブラシは歯間部を清掃するものであるため、基本的にはどちらか一方を使用すればそれで結構です。
しかし、本当の歯と歯の間の接触点はデンタルフロスでしか磨けません。

(A)の接触部分はフロスでしか磨けません。
(B)の部分の歯と歯の間は歯間ブラシでも可能です。
しかし、(A)と(B)両方に有効なものはデンタルフロスしかありません。
歯周病はまず歯と歯ぐきの間、いわゆる歯肉溝という所に歯垢がたまり、その細菌の毒素により感染して炎症が起こります。
この歯肉溝のなかでも、(B)の部分の歯と歯の間の歯肉溝部分に一番歯垢が多く、そのため歯間ブラシでも予防は可能です。
ところが、虫歯が一番多く発生する歯と歯の間の接触部分においては、どんな歯ブラシも入るものではありません。
要するに歯周病は歯ブラシ類で予防できても虫歯の予防は全く不可能なのです。
重要な事はプラークコントロールの定義からするとフロスを使用しなければプラークコントロールとはいえないのです。
200年前、パームリーが力説していた意味が少しおわかり頂けたでしょうか。
1941年、アメリカ・チュレーン大学医学部の学部長を退官した細菌学者のバス先生は、自分自身が歯周病を患っていたことで、余生を歯周病の研究に捧げることを決心しました。そして、虫歯や歯周病の原因、その予防などについて徹底的に研究しました。
彼の業績はすばらしく、現在の予防歯科医学の礎となりました。
現在、歯ブラシのテレビCMなどで見ることができますが、モデルが歯ブラシを横に振動する様に動かして歯を磨いています。あれがバス法といわれるものです。
簡単に説明すると、歯と歯ぐきの間に45゜に歯ブラシの毛先を入れ、1mm〜2mm横に振動させる様に歯ブラシを動かします。この時毛先は動かさず振動させるだけです。ここが重要な所です。
毛先を動かしてしまうと、歯と歯ぐきを結合させている上皮をはがしてしまうので注意が必要です。あくまでも振動させるのみです。
そして、歯肉溝内に毛細管現象を引き起こし、溝内の歯垢を吸い上げるという原理です。

たしかにすばらしい磨き方なのですが、実際これを口の中で完璧に行うのは至難の業です。そこで登場してきたのが②ワンタフトブラシです。
歯肉溝の部分にうまくあたり、縦横無尽に歯の隅々まできれいにしてくれます。しかし、歯と歯の間はきれいにはなりません。

歯と歯の間は歯間ブラシか、特にすばらしいのはフロスなのです。

約15センチ程度の長さのフロスを切り、輪にします。

その輪を、両手の薬指・中指・小指を使って、2センチ程、ピンと張って保持します。

親指や人差し指を利用してフロスを歯と歯の間に、のこぎりを引くようにそっと入れ、それから歯間にそって上下動をするようにして6〜7回こすります。
当院では、このワンタフトブラシとフロスを主体にして磨くようご指導していますが、どうしてもフロスが苦手という方には歯間ブラシをおすすめしています。
そして、大事な事は①通常の歯ブラシはあくまでも補助的に使用すると言う事なのです。
フロスが主役という意味がおわかり頂けたでしょうか。
実際の使用法は当院の予防プログラムの中で詳しくご説明、ご指導致します。
丸山歯科では以下の治療と指導を行っています。
歯ぐきの検査
プローブ(細い針、痛みはありません)で歯ぐきと歯の間の深さをチェックします。炎症の進行により溝が深くなっていきます。
歯みがき指導
みがき残しの多い歯と歯の間、歯と歯ぐきの間をきちんと磨けるよう指導いたします。
歯石除去
歯石は歯ブラシでは取れません。歯石除去機を使用して歯石を除去します。
ヤニ取り
お茶やタバコで付いたヤニを専門機器で落としていきます。強いヤニやずっと放置されていた物の場合はホワイトニングなど審美治療をご提案します。
歯の研磨
歯石を取ったあとは表面がざらざらして歯垢が着きやすくなるので表面を磨きます。
フッ素塗布
歯の表面にフッ素を塗布します。フッ素には虫歯菌を防ぐ働きがあり、塗った後も効果が持続します。